クリックヒートマップを見ると、ボタンやリンクではない場所にクリックが集まっていることがあります。画像、カード風の枠、見出し、アイコン、表の一部など、クリックしても何も起きない箇所が押されている状態です。
このようなクリックは、デッドクリックとして扱えます。ユーザーが「ここから詳細を見られそう」「この要素は押せそう」と期待しているのに、ページ側がその期待を受け止められていないサインです。
この記事では、デッドクリックをヒートマップで見つけ、改善仮説に変える手順をまとめます。
まず非リンク要素のクリックを探す
最初に見るのは、CTAやナビゲーションではなく、本来クリックできない要素です。クリックヒートマップで赤くなっている場所が、実際にリンクやボタンとして機能しているかを確認します。
よく見つかるのは次のような箇所です。
よく見つかるデッドクリック
- 事例カードの画像だけが押されている
- 料金表のプラン名や表のセルが押されている
- FAQの見出しが押されているが開閉しない
- 「詳しく見る」に見える装飾バナーが押されている
- スマートフォンで画像やアイコンがタップされている
デッドクリックは、単なる誤操作とは限りません。複数のユーザーが同じ場所を押しているなら、その要素に次の行動を期待している可能性があります。
クリックの意図を3つに分ける
クリックできない場所が押されていたら、すぐにリンクを追加するのではなく、ユーザーが何を期待していたかを分けて考えます。
クリックの意図
- 詳細情報を見たいクリック
事例画像、機能カード、料金表の注釈などが押されている場合、要素の続きや補足を探している可能性があります。
- 次の行動を探すクリック
CTA近くの見出しや画像が押されている場合、周辺要素を入口として認識している可能性があります。
- 操作できると思ったクリック
アコーディオン風の見た目、カード全体が押せそうなデザイン、下線付きテキストは、リンクでなくてもクリックされやすくなります。
改善はリンク化だけにしない
デッドクリックがあると、すべてをリンクにしたくなります。ただし、リンクを増やしすぎると、CVに近い導線が分散することがあります。
改善案は、クリックの意図に合わせて選びます。
- 詳細を求めているなら、詳細ページや該当セクションへのリンクを置く
- CTAを探しているなら、クリック箇所の近くに補助CTAを置く
- 操作できると誤解されているなら、装飾やホバー表現を弱める
- 料金や条件で迷っているなら、クリック箇所の近くに補足説明を足す
- スマートフォンだけで起きるなら、タップ領域や余白を調整する
特にCVに近いページでは、リンク化よりもCTAへの接続を優先したほうがよいことがあります。たとえば料金表のプラン名が押されているなら、各プランの詳細ページへ送るより、プラン下に「このプランで相談する」を追加したほうが自然な場合があります。
CTA周辺のデッドクリックは優先度を上げる
すべてのデッドクリックを同じ優先度で直す必要はありません。まず見るべきなのは、CTA、フォーム、料金、事例など、CV判断に近い場所です。
CTA周辺でクリックが散っている場合、ユーザーは押す前に別の情報を探している可能性があります。ボタンが見えていても、直前の説明が弱い、クリック後に何が起きるかわからない、料金や手順の不安が残っている、といった問題が隠れています。
スクロールと熟読エリアも合わせて見る
デッドクリックは、クリックヒートマップだけで判断すると誤解しやすくなります。スクロール到達率と熟読エリアも合わせて見ると、改善の方向を絞れます。
クリックが多く、熟読もされている箇所は、関心が高い場所です。そこに詳細リンクやCTAを置くと、自然な導線になりやすくなります。
クリックは多いのに熟読されていない箇所は、見た目で押せそうに見えているだけかもしれません。この場合は、リンク化よりもデザインの誤認を減らすほうが向いています。
また、重要な要素がページ下部にあり、そこまで到達していない場合は、デッドクリック以前に配置の問題があります。スクロール到達率からLPの離脱ポイントを読む方法と同じように、クリック箇所の前後で到達率が落ちていないかを確認します。
変更後に見る指標を決める
デッドクリック改善では、クリックできない場所のクリック数が減ったかだけを見ると不十分です。目的はクリックを減らすことではなく、迷いを減らして次の行動につなげることです。
変更後は、次の指標を並べて確認します。
- デッドクリック
- 減少したか クリックできない場所への期待が減ったかを見ます。
- 追加導線
- 押されているか 追加したリンクやCTAが次の行動につながっているかを確認します。
- 主要CTA
- 落ちていないか 新しい導線でCVに近いクリックが分散していないかを見ます。
デッドクリックは、ユーザーの期待が画面上に残った状態です。ヒートマップで押されている場所を見つけたら、そのクリックを「不要なクリック」として消すのではなく、ユーザーが次に進むための導線に変えられないかを考えましょう。